グリニャール試薬の調製には、写真のような反応装置を準備します。装置は、マグネチックスターラー、なす型フラスコ、側管付き滴下漏斗、ジムロート冷却器、塩化カルシウム管などから構成されます。反応に使用するガラス器具や磁気回転子はすべて、よく乾燥したものを用いなければなりません。ガラス器具同士がきちんと接続されていることもしっかり確認しましょう。
炭素-炭素結合形成反応の中でも特に汎用性が高いグリニャール反応を行うことによって、原料であるブロモベンゼンから炭素数が1つ増えた化合物である安息香酸を合成します。反応の原理を学ぶと共に、分液漏斗を用いた分離・抽出操作を体験し、この操作により安息香酸が純粋な物質として精製される仕組みを理解します。さらに、赤外吸収スペクトル測定によって目的物の同定を行い、分子構造とスペクトルとの関係を学びます。
グリニャール試薬の調製には、写真のような反応装置を準備します。装置は、マグネチックスターラー、なす型フラスコ、側管付き滴下漏斗、ジムロート冷却器、塩化カルシウム管などから構成されます。反応に使用するガラス器具や磁気回転子はすべて、よく乾燥したものを用いなければなりません。ガラス器具同士がきちんと接続されていることもしっかり確認しましょう。
ジエチルエーテルに入れたマグネシウムを磁気回転子によって撹拌させながら、ブロモベンゼン溶液をゆっくりと滴下します。3分の1ぐらい加えたところで滴下を止め、グリニャール試薬の生成を待ちます。反応溶液の変化をしっかり観察すると共に、還流の原理やジムロート冷却器の役割について実感をもって理解しましょう。
溶液や固体混合物から目的物を取り出す操作を抽出とよび、溶液からの抽出には通常、分液漏斗を用います。使用前に、教科書や教員の指示にもとづいて、上部の栓やコックの開閉、ガス抜きとよばれる基本操作についてよく学んでおきましょう。分液の各段階で、目的の化合物が有機層と水層のどちらに溶けるかを理解しておくことも重要です。
吸引沪過は自然沪過とは異なり、ダイアフラムポンプなどの減圧装置で吸引して沪過の効率を高めた方法です。本実験では、溶液から析出した安息香酸をこの方法によって集めます。ブフナー漏斗上に集めた安息香酸は、ミクロスパーテルでかき取り、?紙の間に挟んで水分を充分取り除きます。なお、吸引沪過は実験1でも行います。
赤外分光法は、物質に赤外線を照射すると、その物質の分子構造や官能基に特有の吸収が起こることを利用した分析手法です。得られた固体の赤外吸収スペクトルを実際に測定し、安息香酸の化学構造に特徴的な吸収帯が観測されるか確認しましょう。この実験では、フーリエ変換方式の赤外分光光度計を用います。